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Bangkok, Thai (2012)


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 撮影地:バンコク, タイ
 制作年:2012年
 制作者:こいで みのる
 再生時間:4分05秒
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THE CITY 〜 都市の風景

Earth Traveler
Hampi, India (2010) with DMC-GH1 & FD50/1.8


 とある旅人が地球での人生体験を終え、宇宙のとある場所で他の意識体と再会しました。


意識体:おかえり〜。どうだった、地球の体験旅行は?

旅 人:いやぁ、不思議な星だったよ。物質的世界を経験することを楽しみにしていたけど、精神と物質の感覚がアンバランスで、いつも何らかの問題が世界のあちこちで起こっていた。それなのに全体としては、崩壊せずにギリギリ均衡を保ってなんとか世界が存続していたよ。
 80年くらいで人生を終える予定だったけど、どうも居心地悪くなってきたので、ちょっと予定を早めて50年くらいで切り上げてしまったよ。

意識体:まぁ地球時間の50年も80年も、こっちではほんの一瞬で大して違わないしね。で、地球では何が興味深かった?

旅 人:肉体を持った「個」を経験できたのは面白かったね。幼児のころ初めて自分の姿を鏡で見た時、すごく愉快でずっと眺めてケラケラ笑っていたよ。生まれたばかりの頃は、小さな入れ物に閉じ込められている感覚に慣れなくて不自由さを感じていたけど、自分の意思で自由に動けるようになってからは使いようだなぁと思ったりして。
 他人というものが存在していて、彼らが何を考えているのか全く理解できないのが面倒だったよ。こっちの世界のように皆で意識を共有するシステムが地球ではまた未発達のようでね。最近ようやくコンピュータ分野のクラウディングでその基本的なシステムが実用化された程度かな。
 人それぞれが思考の違いを容認し合えたなら、この地球の社会もまた魅力的なんだろうけど、みんな自分の独善的な正しさを競い合うようにして生きていた。すべての現象は見る角度によってさまざまな様相を見せるものなのに、みんな自分の角度で見たものしか信じていないようだった。ちょっとした諍いは日常的にどこでも起こっていたし、さらに戦争にまで発展することも度々。とにかく他者との距離感を掴むってことが、この地球社会では大変だったよ。
 でも思考や表現することを、誰からの干渉も受けずにひとりで自己完結できるってオプションはとても新鮮だった。こちら側の意識世界では「閉じる」っていう感覚は味わえないしね。この自己完結することが、地球では芸術を生み出す源になっていた。この地球は所詮仮想世界に過ぎないって打ちひしがれてしまうこともあったけど、芸術の中には、仮想を越えたリアリティ、地球に生まれる前から知っていたような懐かしい感覚を思い出させてくれるような作品もあったなぁ。

意識体:ふ〜ん、自己完結って何か原始的な感じもするけど、体験するとなんだか楽しそうだねぇ。で、日々の暮らしはどうだった?

旅 人:品物を手に入れる方法は、必要な時に必要なだけ手に入れられるシステムではなく、貨幣という媒介物を通して品物と交換するシステムになっていた。貨幣それ自体は全く価値がなく、信用というものに支えられて流通しているようだった。でもその信用とやらもだんだんと怪しくなってきて、世界各国の為替相場は何かアクシデントが起こる度にいつも混沌としていたね。そのカオス状態をマネーゲームとして楽しんでいる人もいた。
 先進国、特に僕の暮らしていた日本では、清貧を美しいと思う感性がだんだん消えてしまい、たくさんの貨幣を持っている人が立派だ、もしくは幸せになれるという拝金思想が蔓延って、みんなこの量を増やす為に人生の多くの時間を費やしているようだった。自分も若い時代にそれを追い求めていたことがあったけど、途中で馬鹿らしくなって止めてしまったよ。こんなもんたかが紙切れだろうがってねぇ・・・。貨幣は当面の暮らしのために適度に所有していれば充分だと思った。
 イスラム圏やインドのように、喜捨というシステムでお互いが支えあう慣習がある地域は、ある意味では合理的だと思ったけど、でも社会全体のシステムとしては問題がないわけではなかった。インドでは廃止されたはずの差別的なカースト制度が已然として強くイデオロギーを発揮していたしね。しかしながらこのカースト制度がインドの均衡を長らく保ってきたのも事実。インドは旅した世界の中でも興味深い国のひとつだったよ。
 世界の社会システムは「〜主義」という言葉で仕分けされているようだったけど、どの主義も完全ではなく、時代や風土に見合ったやり方を模索して、絶えず改良していくしかないというのが世界の現状のようだったね。

意識体:貨幣を品物と交換するシステム自体は結構面白そうに思えるんだけど・・・。

旅 人:シンプルに交換するという原始的な貨幣システムならば理想的だったのかもしれないけど、金や銀の含有量を減らした通貨が莫大に流通すると市場経済は一気に発展し、さらに貴金属との交換を保証された債務証書として紙幣が発明され、17世紀末にイングランド銀行が世界最古の中央銀行として設立されて以来、簡素な貨幣システムはいつの間にか金融システムへと変貌を遂げ、現在に至るまでどんどん巨大化かつ複雑化してしまったんだよ。イングランド銀行は資本の2倍までの貨幣を発行できるゆるやかな預金準備率だったのに、いつの間にか9倍、さらには20倍、30倍もの貨幣を発行できる権限を持つ銀行まで出てきて、気がついたら簡単に借金を雪だるま式に増やせる無責任なシステムになってしまった。いわば放蕩息子が返せるアテもないのに、今遊びたいためにあちこちから借金をしまくっているかのような・・・。今実際に世界を動かしているのは実体を超えてしまった虚構の金融システムなんだよ。
 21世紀になって、その虚構金融システムの弊害がだんだんと露になってきて、世界はどんどん崩壊の道に突き進んでしまっている。1929年の世界恐慌の悪夢を思い出す人もいるだろう。アメリカのサブプライム問題を引き金として、ドルが基軸通貨としての信頼を失いつつあり、ユーロ圏の多重債務国の問題も深刻だ。特にユーロ問題では欧州各国の金融機関が疑心暗鬼になり、金融資本の流動性が悪くなっている。日本の国債発行金額も1,000兆円を越えてもはや正気の沙汰ではないね。ちょっと前までは一時的な消去法で円が買われていたけど、今後国債が暴落することになったら日本はもう一貫の終わりだろう。今や世界はどこから崩壊してももはやおかしくない。世界中に時限爆弾が仕掛けられているようなものだよ。
 日本では90年代半ばころから国家の財政破綻が囁かれ始めていたのだけど、その恐怖心を煽るかのような危機管理ビジネスも蔓延り始めたのがちょっと胡散臭かった。海外の金融機関に資産を移したり、外国株や外国債券を購入したり、金や銀やプラチナなどの貴金属を購入したりと、ファイナンシャル・リテラシーの高い個人投資家たちは自らの資産を守る為に行動していたようだけど、リーマンショック以降の円高と世界株安の影響で、結局は資産の半分を吹き飛ばされる結果になってしまった人もいたようだった。貴金属だって有事には没収されるのは関の山だろうしね。金はタングステンの偽物も出回っていて、ソビエト崩壊の時や、ちょっと前にも中国とアメリカの貿易の決済の時にかなりの額の偽物の金が出回って問題になっていたし。
 金融ビジネスがこれほど複雑化かつ巨大化してしまったので、金融危機に対する確実な対策ってのはないんだなぁと感じたよ。一寸先は闇。リスク分散ですらもそれが全て裏目に出ることもあり得るわけだし。結局、小泉政権の民営化によって米国の貯金箱と化してしまったゆうちょ銀行に貯金をしていたお年寄りが一番安全な選択をしていたというのがなんとも皮肉な話だよ。
 しかしながら日本の財政破綻はじわじわと目前に迫りつつあるから、その時にどう対処できるかというのが、この国に生きている住人の今後の大きな課題なのかもしれない。専門家の意見はあくまで参考にするに留めて、自分で考えないとね。
 今後は今までのような便利な生活が当たり前だと思わない方が良さそうだよ。地方財政難で、水道管や道路、公共施設などのインフラの老朽化の問題も今後深刻になってくるだろうし。結局は財産逃避よりも、今後は食料と飲料水をいかに確保するかというサバイバルな視点を持っている人が生き残れるのかもしれない。はたしてその時になって、この国が生きるに値する国であるのかどうかは疑問なのだけれど。
 世界は歴史的に各国で何度もデフォルトを起こしているのに、そこから何も学ばず相変わらず貨幣というものに縛られている。地球から貨幣というシステムがなくなれば、いくらかの問題は解決するようにも思えるけど、他にも民族や宗教の対立、さらには人種の対立が大きな難題になっているし、それらを発端とした戦争でさらに金融システムが活性化してしまう訳だしねぇ。いろいろな不条理に溢れている世界だったけど、この地球の人々が金融システムの奴隷と化してしまっていたのがとにかく一番印象深かったよ。

意識体:なんだかややこしい世界だねぇ〜。その金融のシステムを作ったのはいったい誰なの?

旅 人:ユダヤ人だよ。キリスト教もユダヤ教も宗教の教えから利子を取るビジネスは禁止されていたのだけど、ユダヤ教は例外的に異教徒から利子を取ることは許されていたんだよ。イエスを十字架にかけた罪で迫害されていたユダヤ人はそのビジネスに目をつけた。ある意味ではキリスト教に対してのルサンチマンでもあるんだね。社会哲学者のエリック・ホッファーは「どうも貨幣は弱者が発明したもののように思われる」って言っていたけど、なるほどと思ったよ。
 で、18世紀半ばに両替商を営んでいたユダヤのロスチャルド家がナポレオンの全盛期の頃に次第に勢力を欧州諸国に拡大させ資金を増やし、さらにイギリスへと渡ったネイサン・ロスチャイルドが、ナポレオンの最後の戦であるワーテルローの戦いで巨額の富を得て、そこから彼らが世界の金融を影で支配するストーリーが出来上がったというわけさ。イルミナティやフリーメソンという秘密組織も出現し、ロスチャルド同様、彼らも世界支配の陰謀論に関連づける人も多くいるようだけど、真実は闇の中って感じかなぁ。物語は歴史的状況と結論を組み合せればいくらでも創作可能だしね。でも政治を超えたところで何らかの闇の組織が世界を影で操作していると考えるのは、不自然ではないと思う。
 いずれにせよ、ロスチャイルド一族が世界の金融を支配しているってのが、陰謀論者の間では定説になっているようだね。彼らは1815年にはイングランド銀行を支配し、1913年にはアメリカの中央銀行であるアメリカ連邦準備制度(FRB)も支配している。彼らの元から通貨発行権を取り戻そうとしたアメリカの大統領は皆暗殺されているんだ。第3代ジェファーソン、第7代ジャクソン、第16代リンカーン、第20代ガーフィールド、第29代ハーディング、そして第35代ケネディ。単なる偶然なのかもしれないけど、ケネディ以降に通貨発行権を取り戻そうとした大統領は現れていないことから、ロスチャイルドの存在がいかに大きな驚異となっているのが分かるよね。
 また彼らは、金融だけでなく、資源、エネルギー産業、マスメディア、工業分野、エンターテイメント、食品、薬品産業まで、生活に関わるほぼ全てといっても過言でないほどさまざまな分野の企業を、ロックフェラー財閥とともに支配しているんだよ。
 彼らと日本との関わりは江戸末期の倒幕の頃から始まったようだけど、話が長くなってしまうので割愛するね。とにかく陰謀論者が言うには、世界は彼らロスチャイルド一族の思惑で動いているってこと。彼らの最終目的は世界を一つに統一させて、一元的に支配したいという欲望を実現させることなんだってさ。

意識体:なるほど〜、闇の支配者ねぇ・・・。でもこの手の話って、個に閉じ込められた人間ならではの、ちょっとした創作ゲームのように思えてしまうなぁ。地球人は「自分の信じたいものを信じる」傾向があるらしいし。
 陰謀論者って、一段上からの目線に立って優越感を味わいたい欲求が強い人たちなのかなぁ。書籍やインターネットにもそんな魑魅魍魎な世界が渦巻いているんだってねぇ。陰謀論を知的なゲームとして内輪で楽しんでいる頃はまだ無邪気だったけど、情報ソースが多様化していくにつれ、情報の上澄みだけを掬って、それを自分の妄想と混ぜ合わせてさも真実であるかのように狂信的に語り出す輩が増え始めて、この手の話は低質化、大衆化してしまったようだね。
 ・・・ところで話は変わるけど、君の当初の目的は果たせたのかな?

旅 人:ああ、それかぁ〜。地球に生まれた直後は、その目的を実現させるためにかなり意気揚々としていたよ。で、はやく他人に公言せなばと思い、幼児の頃に言語を早々に覚えて、自分の両親に自分が生まれてきた目的を初めて宣言したんだ。

意識体:ほぉ〜、それで反応は?

旅 人:ところが両親は「この子はどこでこんな難しいことば覚えたのかしら?」「自分の話していることばの意味が分かっているのかしら?」「おかしな子だなぁ」って感じで、マトモに取り合ってくれなかった。幼いながらにこりゃダメだと思ったね。おそらくこの地球で最初に感じた失望だったと思う。失望と同時に、自分はこの世界に騙されて落とされたのではないかという疑心暗鬼の思いも抱くようになった。どうしてそう感じたのかは、地球の生活ではずっと思い出せなかったけれど。
 それ以降、しばらくは目的のために何をすべきかを考え、曲がりなりにも出来ることから初めてはみたものの、大人になって対人関係が複雑化するにつれて、それすらもおぼつかなくなってしまった。自分も含め、みんな自分の仕事や生活を守るために精一杯って感じで。他人は報酬がないと動かないし、報酬がないと無責任に勝手なことを言い出す始末だし。自分の目的は報酬を得ることで達成されることではないのだから、人生のとある時期からはもう他人をアテにせず、自分だけで出来ることをやっていこうと決心した。結局本当に小さなことを人知れずコツコツとやっていくことしかできなかったけどね。無力感を覚えて中途半端で投げ出してしまったという感じもしている。理念では単純なことでも、それを実際に形にするのは思っていた以上に難しかったなぁ。難題だからこそこの地球生活を体験したかったのかもしれない。
 ところで、この難題は自から好んで設定したものなのか、それとも何らかの契約で選ばざるを得なかったのか、地球で生活している時にずっと気になっていた。これは自発的な経験なのか、それとも罰ゲームなのかと(笑)。後で確認してみないとね。

意識体:地球を経験した多くの人は、同じように自分の目的の成就が難しかったって言ってるね。

旅 人:もう一度地球での人生を経験しろとか言われたら、いまはちょっとうんざりかなぁ。中東情勢、特にイスラエルとイランの緊張状態もどんどん危うくなってきているし、本格的にこじれたら第三次世界大戦が始まるかもしれないし・・・。
 核戦争後に新しい社会を立て直すという目的で、再度地球に降り立つのなら考えてもいいけどね。でも貨幣システムや既得権益なんてものは、核戦争が起きた程度では簡単に無くならないだろうねぇ。国家危機ですらCDS(Credit Default Swap)という金融商品に利用されてしまっているし、もはや月や火星といった地球以外の場所でも所有権を主張し始めているくらいだし。本来宇宙は誰の所有物でもないのに・・・。
 スリーマイル島やチェルノブイリの事故も衝撃的だったけど、フクシマの原発事故は本当に驚かされた。でもこの事故をきっかけに世界が自らの異常さに気付いて、核廃絶の道に進んでくれればという思いもあった。しかしながら、安っぽいヒロイズムや独りよがりな陰謀論が一瞬広まっただけで、のど元過ぎれば世界はさらに原発容認の道を突き進み始めた。まさに狂っているとしか言いようが無い。原発で既得権益を得ている奴らがもはや人間には見えず、体の内側からただならぬ腐敗臭をまき散らす悪霊そのものにしか見えなくなった。彼らがこの地球で叶えたい目的とは「世界を破滅させること」なのだろうか・・・。
 世界の歴史はまさに狂いの歴史なんだよなぁ。しかしながら石器や剣、ピストルといったシンプルな武器で戦をしている時代は「敵」が明確に設定されていてまだマトモだったのかもしれない。今や目に見えない放射性物質や生物兵器が「無差別」に人類の生存を脅かしている時代に突入してしまった。しかも加害者は腐敗した政治と同様に、誰も責任を取らなくてもよいシステムになっている。今後は放射線による大気汚染や海洋汚染の問題だけでなく、水質汚染や食物汚染の問題もさらに深刻化していくだろう。日本はもうだめかもしれないと暗雲たる気持ちになってしまうのも仕方がない。
 人類は歴史上さまざまな危機に直面してきて、その度に立ち上がって乗り越えてきたけれど、さすがに今後は悲観的になってしまうよ。原発事故のみならず、戦争が起こって核兵器による放射線汚染がさらに深刻になってきたら、今後は都市生活は地下で営まれていくのかもしれない。オーバーザルツベルクの山荘に広大な地下都市を作ったヒトラーの予言を思い出して、ちょっと身震いしてしまうよ。彼はこう予言していたんだ。「地下都市に、やがて人間は住むようになる。いや、そういう場所にしか住めなくなるだろう。それほどの毒物や毒光がいずれ人類に、少なくとも人類の一部に降りかかる。各文明国はそれを避けて、地下に商店や会社や住居をつくる。ここはそのためのプロトタイプなのだ」と。しかしながら地球人の未熟な精神性では、地下都市を作ろうとしても、先に地底生活を営んでいるシャンバラ王国の住人たちに拒否されやしないかと、一抹の不安も過るけど(笑)。
 地球の人類が全滅してしまう日が遠い未来にやがて来るだろう。でもそれはアーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』の結末のような、華麗なものとはほど遠いような気がしてきたよ。

意識体:肉体と精神を維持するための食物の安全性がおびやかされるのは、ちょっと困るね。

旅 人:そうなんだよ。僕も普段から食生活には結構気を配っていて、添加物の多い食品やインスタント食品、菓子パン、外食はなるべく控え、MSGやソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングの類いは好んで使わず、シーズニングはせいぜい良質の塩と胡椒だけで充分。味覚が鈍感になるのが嫌で、喫煙は20代半ばで止めたしね。生野菜は何もつけず素のまま食べるのが一番。調理品の味付けは薄味でいいし、薄味でないと素材の良さは分からない。でも最近はその素材すらも、農薬汚染やホルモン剤などで本来の味を失いつつあるのが残念だったなぁ。不可解な成分が入っている食品を摂取するとすぐに下痢をする体質になった。いかにおかしな食べ物が氾濫してるかを体感するとそら恐ろしい気持ちになったよ。
 しかながら拝金主義に毒された業者による食品偽装は日常茶飯に行われているので、いくら自分が気をつけたとしても限界はあったね。こんな狂った食品流通に加えて、さらに原発事故以降はセシウムに汚染された農作物や海産物が産地偽装されて公然と出回ってしまったし、東北の子どもたちは汚染された食物を強制的に給食で食べさせられているという信じがたい現実もある。数年後に体に異変が起きたとしても、それが添加物によるものなのか、放射線汚染によるものなのか、判別できない事例も多く出てきそうなのがなんともやるせないよ。震災がれきの広域処理も、普通に考えれば狂気の沙汰なのに、交付金目当ての地方自治体が率先して引き受けようとしているし。
 皆で助け合うという「和」の精神は、聖徳太子の十七条憲法の第一条にもあるように、日本人が古来からずっと大切にしてきたものなんだよ。しかしながら、それは自然との共存によって育まれていくもので、今回のような原発事故、すなわち自然との共存ではなく自然との格闘といった欧米思想の結集のようなテクノロジーのアクシデントに対して、この和の精神で対応するのは誤っている気がしている。今回のようなアクシデントには論理的、合理的な欧米思想的な対応が一番確実な解決法であるにも関わらず、この国難の時期に瀕しても「和」を美化し、誰も責任を取らなくてもいいような、日本人独得のグダグダな感性を優先しているのがなんとも心苦しいよ。最悪な状況に陥っても、(それが実現してしまうのではという恐れから)不吉なことは決して公言しないという日本人の言霊信仰が、今回の原発事故では悪い方に作用してしまっているように思えたよ。
 今後日本列島が汚染列島になるのも時間の問題。震災がれきの広域処理により、放射線の影響によるガン患者が増えても、誰も責任の所在を問われない。そしてそこでさらに医療利権ビジネスが蔓延る。無責任と既得権益が延々ループしていく狂った世界。実際は免疫力を弱めてしまう抗ガン剤治療の犠牲となっていくガン患者が今後増えていくのが悲しいよ。ワクチンビジネスも同じだしね。
 こんな利権がからむタブーは日常生活のあちこちに散らばっていたよ。石油枯渇説の嘘、地球温暖化説の嘘やリサイクルの嘘も然り。テレビや新聞はその影響力の大きさから、洗脳の道具として利権ビジネスや思想操作に乱用されるようになってしまった。もはやマスメディアは中立で公平な情報の発信元ではなくなってしまった。これらの偏った情報に振り回されないために、あえてマスコミュニケーションを遮断する方法もあるけど、逆に積極的に関わって何が嘘なのかを冷静に見極める訓練をするのも有用だと思った。

意識体:大きな嘘がまかり通ってしまうのは、個に閉じ込められた人間のマイナス面を象徴としているようだね。それと生きて行くために、毒を食べさせられるというのがなんとも皮肉だなぁ。これじゃ何のために地球で生を体験するのか分からなくなってしまうね。

旅 人:地球人って本当に不思議な生き物だよ。ただの紙切れの貨幣を手に入れるために、自らの人間性ですら平気で破壊してしまう。「悪魔に魂を売る」という言葉は、以前は道徳心と葛藤する切実さを伴っていたにも関わらず、昨今は本当に安っぽいものに貶められた。そのうち悪魔にすら「お前らの魂は安すぎてビタ一文にもならないから、もう要らないよ」って言われてしまいかねない。もはや中世ヨーロッパのように道徳の枠組みの中で善く生きることが、人生に意味と使命をもたらす幸福な時代ではなくなった。欲望渦巻く現代の都市生活者は、道徳の本性が「善なる嘘」であることに気付いてしまった。
 この旅は「狂い」を体験する旅だったのかなぁ・・・。まるで精神病棟に入れられたゴッホのような気分だよ。自分は狂っていると思っていたが、周りの人を見て、いかに自分がマトモだったかを知った。
 ところで、君はこれから地球での生を体験するの?

意識体:そうなんだよ。物質世界初めてなんだ。わくわくしているけど、今の話聞いたら結構前途多難かなぁって・・・。

旅 人:この混乱の時期だとちょっと大変かもしれないよ。でもやっぱり地球での感情を伴った物質的な経験は貴重だと思うから、是非味わってきて欲しいよ。金融ゲームや政治ゲームをエンジョイできるならば、結構楽しめるかもしれないしね。僕は次の旅に出るまでしばらくここで待機しているから、また帰還したら話聞かせてよ。
 あ、地球に入ったらこっちの記憶や、予めスケジューリングしておいた地球人生の歩み方の記憶がだんだん薄れていくから、生まれた頃の感覚をしっかりと覚えておいた方が良いよ。

意識体:うん、わかった。じゃあまた後で。

旅 人:それじゃ〜ね。ラッチョ・ドローム!(よい旅を)


(この物語はフィクションです。2012年4月1日公開)




Hanoi, Vietnam (2012)


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 撮影地:ハノイ, ベトナム
 制作年:2012年
 制作者:こいで みのる
 再生時間:2分21秒
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THE CITY 〜 都市の風景

THE CITY 〜 都市の風景

 2012年から新映像プロジェクト『THE CITY 〜 都市の風景』 (仮称) を開始します。

 とある情念を抱き、都市を眺め、映像化する。旅映像を創り始めた頃の気持ちに立ち戻って、再び世界の都市を眺めてみたいと思います。

 本プロジェクトは数年前から構想を練っており、今回のブログ公開ではタイトルも体裁もその完成型とは少し異なるのですが、暫定版としてしばらく試験的に公開してみます。いくつか作品を制作して全体像が浮き彫りになってきたら、再び構成等を考え直してみます。

 新作の発表は不定期になりますが、細く長く続けていきたいと思っております。

 こいで みのる拝

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2012年2月29日 (水) を持ちまして、スプルース&バンブーのDVD直販サイトを閉鎖いたしました。
ご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
お問い合わせの際は、本ブログ右上の「お問い合わせ」フォームからご送信ください。

レーベル作品は、引き続きティラキタで入手可能ですので、是非ご利用ください。
以下の各バナーをクリックすると、本ブログ内の商品詳細ページにリンクいたします。


ザ・ラジャスラン ヒンドゥのこころ


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