La creation absurde

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ディーヌ・カーン氏その後

Dinu iPod

 さて今回の旅では映像再生が可能なiPod Classicを持参し、コーディネーターとの打ち合わせや営業用として大いに役立ってくれた。ジャイサルメールでは、前回の撮影に参加して頂けたカマイーチャ奏者、ディーヌ・カーン氏(ブログ関連記事『manganiyar, rajasthan folk』メイキング編(3)に直接作品を見てもらいたいと思い、カラカール・コロニーの最西端に位置する彼の家に滞在中に何度も訪れたのだが、なぜかいつも不在。近所の人は「彼はしばらく村に行っているようだ」と片言の英語で言うのみ。
 そしてジャイサルメールを去る前日に、やっとディーヌ氏の息子二人に会うことが出来た。聞くところによると、ディーヌ氏は前回の撮影でも辛そうだった膝をさらに痛めてしまい、現在はクーリー近くの病院に入退院を繰り返しているそうだ。これから音楽活動するのは困難になるかもしれないと告げられた。ディーヌ氏に直接作品を観てもらえなかったのは残念な限りだが、日本の雑誌のジプシー特集で紹介された彼の写真の掲載ぺージを滞在ゲストハウス宛てにメールで送ったことや、インターネット上で作品を公開していることはすでに彼に伝わっていたようで、たいそう喜んでもらえたことだけは救いだった。

 話はさかのぼり、ディーヌ氏の家を探している時に、一人の老人に導かれカラカール・コロニーの北西に位置するオーストリア人の経営するゲストハウスの隣の民家に案内された。そこに住んでいたのはロッジェだった。彼は隣接するゲストハウスで音楽コーディネーターの仕事をしており、前回にも撮影の件で相談したことのある男だ。楽士たちと直接交渉する言い値の何倍もの金額を平然と要求するその貪欲さや、信憑性の低い情報に終始混乱させられ、できれば二度と関わりたくないと思っていた男だったが、まさかこんなところで再会するとは思ってもみなかった。
 ロッジェは左膝に包帯を巻いてベッドに横たわっていた。数日前にバイク事故で膝の外側を損傷し、骨と肉が見えるほど深い傷を負ったと言う。彼の方が先に気付いて、ぼくを見るや否や「覚えているよ」と一言。ディーヌ氏を探していたらここに誘導されたことを告げると、「オレはディーヌの甥だ」と言う。そんな繋がりがあったのかと不思議に思ったが、彼や彼の家族にiPodでディーヌ氏の作品を見せると、皆興味津々に見入って楽しんでいる。ロッジェは相変わらず金の話ばかりするので本当にうんざりだったが、ディーヌ氏の親族に作品を観てもらえただけでも来た甲斐があったかなと自分を納得させた。

 後日、ディーヌ氏の息子二人に会って、ロッジェの話を切り出すと「彼は父の甥ではない。家とは何も関係がない」と告げられる。
 ロッジェよ、また今回もお前は・・・・・。


(画像:下段右二人がディーヌ氏の息子。他はディーヌ氏の甥だと偽ったロッジェとその家族。上段左端がロッジェ。金の話さえしなければ楽しくて面白い男なのだが・・・)

    2008/04/21   旅:インド ラジャスタン 2007&08        ↑ 

ジョードプルのスパイス四方山話

Indian Spices

 とくにスパイスにこだわりを持つほど通でもないのだが、前回のラジャスタン旅では、ジョードプルの時計塔近くのスパイス市場にてツーリスト価格で大量購入し、後から悔しい思いをしたので、今回は現地でリサーチをしてから購入することにした。
 地元のオバちゃん、オールドマーケットのスパイス職人、滞在ゲストハウスの料理人、撮影で世話になったガイドやコーディネーターなどに尋ねて、いくつか有用な情報を得ることができた。さらに地元の人から信用できる店を紹介してもらい、良心的な金額で購入できたのも幸いだった。オールドマーケットの狭い路地の一角にあり、看板もヒンディー語なので独力で探したら素通りしてしまいそうな佇まいだった(紹介者の意向につき、店の紹介は控えさせていただきます)。

 話はジョードプルの中心地に限定されてしまうのだが、まずもって時計塔近くのスパイス市場で売られているものはツーリスト価格なのでオススメできない。品質に関しては前回購入してみて問題はなかったのだが、地元の人が集うオールドマーケットでは半値かそれ以下で入手可能なのである。ただオールドマーケットでも、価格にバラツキがあるので複数の店で検討すべきだと思う。相場については自分の足で調べてみて欲しい。
 価格差の大きかった商品として、ガラムマサラ、岩塩、サフラン、ティーリーフ系が挙げられる。サフランについてはISO9001認証済みの良品も見かけたが、本場とは言うものの、どうにも身が貧弱で購入意欲が湧かなかった。そういえばモロッコに行った時もそそられるサフランには出会えなかった。個人的にはスペインのラマンチャ地方の品質に適うサフランにはまだ出会っていない。ティーリーフ系では特にダージリンが価格差が大きいようだったが、店によって品質にバラツキがあるように思う。チャイマサラは選別がちょっと難しかった。個人的にはカルダモンの香りが強いのが好み。スパイスは購入前に香りをチェックするのが好ましい。

 ガラムマサラに関しては、ツーリスティックな店では「使用スパイスは15種類」と謳っているが、これは地元の人からしたら「ありえない」話のようだ。一般の家庭では通常3〜5種類、たとえ多くとも8〜9種類までのスパイスしか使わないとのこと。ツーリスティックな店ではセールストークが混じっていると考えた方が妥当かもしれない。
 上記の知識を踏まえた上で、実際に時計塔のスパイス市場を冷やかしにいったところ、店員の態度がみるみるうちに変わり、価格がどんどん下がって面白かった。


 オールドマーケットで購入したガラムマサラでは、以下の9種のスパイスが調合されていた(画像参照)

・Long Pepper(インディアン・ロング・ぺッパー)※画像なし
・Black Pepper(黒胡椒)
・Dal Chini(シナモン)
・Tej Patta(ローレル)
・Long(クローブ)
・Choti Elaichi(グリーンカルダモン)※画像なし
・Javatri(メース)
・Jayafal(ナツメグ)
・Sahi Jeera(ローステッド・クミン)
 

    2008/04/14   旅:インド ラジャスタン 2007&08        ↑ 

ラジャスタンより帰還

Jogi Women

(画像:ジャイサルメール近郊の村、ムールサガル周辺に定住するジョーギーの村にて。風景を撮りたいがために早朝に訪問したのだが、子どもがたくさん群がってゆっくり撮影できなかった。だが念願適ってタール砂漠では「放浪」ジョーギーのライブ撮影に成功。放浪者の力強い表現力に度肝を抜かれた)


 一ヶ月に渡るインド ラジャスタンの旅から戻ってきました。

 今回は前回やり残した宿題を片付けに行ったようなもので、滞在場所も前回とほど同じエリアでしたが、非常に中味の濃い時間を過ごしました。現地ミュージシャンの撮影では毎回金額の交渉に骨を折ったものの、ほぼチャーターのみで五十曲ほどの楽曲を収録しました。楽士たちと時間を共にしていろいろ興味深い話を聞くことが出来、さらに彼らの奥深いところに踏み込めたかなという気がしています。ラジャスタンの砂漠の楽士たちは唄や演奏がすこぶる巧いし、とにかく格好良かったです。アーティストたちはそれぞれに魅力的でしたが、中でもロック・ミュージシャンのような独特なオーラを醸し出している楽士に出会い、彼に惚れ込んでいろいろと録らせてもらったのが今でも印象に残っています。

 ジョードプルでは人を通じて政府組織の民族音楽関連のチェアーマンや、現地の有力な音楽プロデューサーを紹介していただけました。録音スタジオも見学出来たりして、民族音楽の現状に触れる事も出来ました。
 とにかく映像素材に関してはかなり「録った」という手応えを感じているので、これからじっくりと作品に昇華していきたいと思ってます。今年はこの制作だけで終わってしまうかもしれません。
 今回の映像作品制作と並行して新ホームページの立ち上げを予定していたのですが、どのような形で公開するかを再検討してみたいと思います。本ブログの更新もしばらくは未定となりますことをご理解ください。

    2008/04/07   旅:インド ラジャスタン 2007&08        ↑ 

インドへ、再び

Indian Vehicle

 明日から約一ヶ月、再びインド・ラジャスタンの旅に出かけます。
 インドの「ラブ&ピース」、いっぱい撮って(録って)きます。


    2008/03/06   旅:インド ラジャスタン 2007&08        ↑ 

チャパティ作り(ジョードプル)

making chapati - jodhpur, india


 インド ラジャスタン編の旅エッセイは、今回が最終回です。

 ジョードプルで滞在したゲストハウスの女主人のインディさんは、アレサ・フランクリンやマヘリア・ジャクソンを歌わせたら似合いそうな、陽気でダイナミックなビッグ・ママ。彼女が作るビリヤーニ(炊き込みご飯)はとても美味しく毎日食べても飽きないほど、インド旅でのベストな食事だった。

 厨房にお邪魔してチャパティを作っているところを撮らしてもらった。チャパティを厚くしたものをロティと呼ぶこともあるらしいが、あまり明確な区分はなさそうである。映像内の会話は一緒に眺めていたオーストラリア人とフランス人。
 基本的な作り方は、全粒粉(アタ)を塩と水を加えてこね、火にかけるだけ。大理石の作業台がお洒落。インディさんは最初鉄板でさらりと火を通した後、直火にかけて内部を膨らませていた。生地をよく寝かせた方が膨らみが良くなるそうだ。出来たてのアツアツを食べるのが一番旨いよね。

    2007/05/09   旅:インド ラジャスタン 2007&08     25TB 0   25Com 0  ↑ 

こいで みのる

こいで みのる
67年生まれ。旅人。
民族的・音楽的に惹かれる国を訪れ、映像や写真、音楽で『世界と自分との関係』を表現している。

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