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Raj_012

 ジョーギーのダンスと歌が終わった後に、より激しいカルベリアダンスを踊れないかと尋ねてみる。中央で踊っていたアクラ Akla が黒いカルベリアの衣装を着ていたので、彼女はカルベリアダンスを踊れるのではないかと思ったのだ。だがこちらの期待とは裏腹に、彼女たちは踊れない、楽士も演奏出来ないという。ちょっとがっかりすると(私はすぐに表情に出てしまうのだ)、少し待っていてくれと言う。するとやがてアクラの姉妹らしき(顔の化粧デザインが同じことから予想)少女のデヴキ Devki が、いままで着ていた鮮やかなオレンジのドレスから黒いカルベリアの衣装に着替えて、砂漠の舞台に上がってカルベリアダンスを踊り始めた。演奏曲は再度カリヨー。激しくキレのあるシャープな踊りで、大地を踏みしめるステップは力強く時折砂が舞い上がるほど。少女とは言うものの、妙に色気のある芳香が辺り一面に漂う。砂漠の若いコブラの妖艶な舞い。即興でやってもらっているため演奏と踊りが噛み合わず、ときおりデヴキが困って踊りを中断してしまうことが何度かあったが、可愛らしいカルベリアダンスを堪能することが出来た。

 料金交渉で時間短縮したためセッションは三十分で終了。迎えにきたジープに乗せられてジョーギーの女性たちは帰路に向かう。ふと目が合うと彼女たちは「バイバ~イ」と笑顔で大きく手を振ってくれた。『スナック★タール砂漠』がまた脳裏に浮かぶ。この砂漠で美しい彼女たちに出会い、よい撮影が出来たことを本当に心から楽しんだ。

 だが彼女たちと別れてから、素朴な疑問が沸々と湧き上がってきた。カルベリアはジョーギーのサブカーストに属する。ともに蛇つかいを生業として移動しながら村から村へと門付けをするコミュニティーであり、シヴァ神一派を信仰するナート族 Nath であるという共通点があるものの、ジョーギーはカルベリアダンスを踊らない。だが今回のセッションでは(カルベリアの衣装を着ていたにも関わらず)アクラはカルベリアダンスを踊らないのに、その妹のデヴキは踊っていた。二人は姉妹と思えるのだが、アクラはジョーギーでデヴキはカルベリアなのだろうか。ジョーギーでさえ少女のころはカルベリアダンスを習うのだろうか。そしてこの放浪ジョーギーはカルベリアと一緒に暮らしているようにも思えたが、定住ジョーギーと定住カルベリアは一緒にコミュニティを作っていないように思う。このように今回のセッションを通じてジョーギーとカルベリアの境界線がぼやけてしまい、疑問が残ってしまった。
 コーディネーターのカマルに尋ねてみたら、「ジョーギーとカルベリアは同じだ」と案の定インド人特有の答えが返ってきた。滞在中にほかの楽士たちに尋ねてみても同じだった。だがカルベリアがジョーギーのサブカーストに分類されている以上、何か決定的な違いがあってもおかしくない(参考資料のひとつ「People of India, Rajasthan/Kumar Suresh Singh(Popular Prakashan)」でも、ジョーギー Jogi Kanipa とカルベリア Kalbelia Dalwal, Kalbelia Mewara は別々の項目として独立して掲載されているが、内容について決定的な差異は感じられなかった)。女性の着る民族衣装や舞踊様式の違いだけとは思えない。ジョーギーの少女時代がカルベリアだという見方もできるが、ジョードプルでは成人女性のカルベリアにも出会い、ますます混乱してしまった。


(写真:デヴキの踊るカルベリアダンス。少女なのにどこか艶めかしい。映像作品『ザ・ラジャスタン~砂漠の表現者たち』より)

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JOGI (at Thar Desert in Jaisalmer, 08.Mar.13)
01. Kalyo Kud Padyo Mela Me (Jogi Dance)
02. Kamli
03. Kukra
04. [Dace with Kalbelia]
05. Kuja

※赤文字が今回DVD作品化


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