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Raj_029

 周辺のシンプルな造りの家屋との格差に少々狼狽しながらも、凝ったデコレーションが施された門をくぐり十畳ほどの居間に案内された。

 居間の棚にはたくさんのトロフィの数。国内外のフェスティバルやコンテストで頂いたものだそうだ。彼らがいかに成功し、国内外で名声を獲得してきたかが伺い知れる。そして壁の一角には、今回のセッションに参加するカルベリアダンサー、クマーリ・サムダ Kumari Samda のフランス公演の写真がパネルで展示されている。池畑慎之介(ピーター)を思わせる、スレンダーでとても美しい女性だ。
 マチュール.JRとニッキールと雑談を交えて待っていると、子どもが瓶ジュースでもてなしてくれた。チャイでの歓迎を受けるのはよくある事だが、瓶ジュースは始めての経験だ。他愛もないことなのだが、インドの金持ちのセンスを感じる。

 やがて深紅のドレスに身を包んだ美しい女性が二人部屋に入ってきた。ひとりは展示写真のご本人クマーリ・サムダ、もうひとりはアンキ Anchi というお方だ。さらに続けてグループのリーダーのカル・ナート・カルベリア Kalu Nath Kalbelia が妙にハイテンションで入ってきた。ホーリーからすでに二日が経過しているが、どうやら昼間から酒を飲んでベロンベロンに酔っぱらっているようだ。ホーリーで投げ合ったピンクの塗料で白い衣装の大半が染まっているが、なぜかそれが何とも言えずヒップな感じに見えてしまう。そしてもうひとり(名前は失念)紳士的で物腰の柔らかな上品そうな男性も入ってきた。彼はベレー帽を被り、小綺麗なファッションに身を包み、南フランスのリゾート地で寛いでいるハイソな大金持ちといった雰囲気を醸し出している。インドでこんな洗練された人に会ったのは始めてだった。この家の中だけは別世界、まさに俗埃(ぞくあい)離れた壺中の天地のようだ。南ヨーロッパのリゾート地の如く洗練されており、むろん居心地も悪くない。
 リーダーのカル・ナートは超ゴキゲンで、いきなりハードケースから吹奏楽器プーンギー(ビーン)を取り出し得意げに吹き出すが、酔っぱらっているせいか息が長く続かず、サーキュラー・ブリージング(循環呼吸)が全く出来ていない。多少不安な気持ちにさせられるが、ようやく本場のカルベリアたちに出会えたという喜びの方が強く、早く彼らのセッションを観てみたいと思った。

 セッションはリーダーのカル・ナートの所有するこの豪邸の屋上で行われることとなった。(次回に続く)


(写真:部屋の壁に展示されていたクマーリ・サムダのフランス公演の写真。燃えるような赤い民族衣装が印象的だ)


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