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 カルベリアについての情報収集をしている時に見つけた、時計台近くのハヴェリ・ゲストハウス Haveli Guesthouse ではボーパのセッションが毎夜行われているという。今回の滞在では、楽士をチャーターして自分の好きな状況下で撮影するというスタイルで進行していたのだが、素材も結構貯まってきたし、保険として撮るような気持ちで彼らのセッションを気軽に覗いてみることにした。
 夜の七時過ぎにゲストハウスの屋上の併設レストランに行くと、ちょうど楽士たちが準備している最中だった。宿のスタッフが予め彼らに話しておいてくれたようで、やりとりもスムーズに進んだ。欧米人に人気のあるこのゲストハウスは屋上から眺めるフォートの景色がとてもよく、ボーパは毎晩同じプログラムを演奏しているせいか、誰も演奏には無関心のようで観光客はフォートを背景した撮影に興じていたが、自分に取ってはその方が気兼ねなく撮影できるので却って都合がよかった。

 パプー・チマンラム Papu Chimanram と名乗るボーパとボーピー役の妻、そして若いドーラク奏者と妹の踊り子から成る四人編成の楽団である。パプーとドーラク奏者のケワスKewas は親子関係のようにも思えたが未確認。このセッションは準備段階から雑談を交え、終始まったりと進行してなかなか心地の良いものだった。十一歳の少女の踊り子アムリ Ammuri と挨拶を交わしたときは、どこにでもいる普通の楽士の子どもと変わらず特に印象には残らなかったのだが、化粧を施し黄色いドレスに着飾るや否や、可愛らしく変身して目を見張った。彼女の存在感はこのセッションに色を添える存在として、かなり重要な役割を果たしていると思う。


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 セッションは雑談の合間にぽつりぽつりという緩いペースで行われた。楽曲は「ビーロ・バンジャロ・レ(バンジャラ族の兄弟)」Biro Banjaro Re だけをリクエストして、あとは彼らにお任せで演奏してもらった。演奏前に楽曲の内容を丁寧に説明してくれたのは親切だ。ラーヴァンハッターを弾きながら歌うパプーの歌声も、ヴェールで顔を隠してかけ合うボーピーのパールヴァティー Parwati の歌声も共にざらついた太い声で、典型的な土着的なラジャスタン音楽そのものの印象を受けた。いざ撮影を始めてみると、歌や表現に関してはどこか物足りない印象は拭えなかったし、全体的に照明が暗かったため意図した構図で撮れない。ボーパの踊りを観るのは初めてだったこともあり、歌の傍らで踊っているアムリをクローズアップした撮影に切り替えることにした。
 アムリの舞いはグーマーを基調といたゆるやかな旋回の踊りだが、タール砂漠で観たジョーギーダンスとも違い、首を左右に器用に動かしたりメリハリの利いたリズム感が印象的である。多くの白人観光客を相手にしてきた経験からか、彼女は妙に大人びていて、いつも笑顔を絶やず、楽曲の最後にお辞儀をするといった、他の土着的な砂漠の楽士には見られなかった洗練された所作に驚かされた。むろんその分を含めてチップは上乗せしてあげた。このインドで育ちの良さそうな楽士の子どもに出会うと、なぜか安心するし、将来に一筋の期待があるかのようにも思えてしまうのだ。

 彼らはアジメール出身で、現在はアジット・バワン・ホテル Hotel Ajit Bhawan近くのガソリンスタンド周辺のテント集落で暮らしているという(集落の名前は分からないようだった)。絵解きを見せてやるから、是非遊びに来いと誘われたのだが、後日電話でアポを取ったにも関わらず(彼らも携帯電話を持っているのだ)、滞在ゲストハウスには来なくて約束をすっぽかされてしまった。当日もそれ以降も取材で忙しく歩き回っていたので、結局彼らの絵解きは観ることができなかったが、彼らのザラついた声の質感からどんな絵解きをするかはなんとなく想像できる。彼らは典型的なボーパという印象が強かった。


(写真上:品が良く可愛い笑顔が印象的な少女の踊り子アムリ(左)と、土着的な歌声を持つリーダーのパプー・チマンラム(右))
(写真下:パプー・チマンラム(右)、ボーピーのパールヴァティー(中央)そしてドーラク奏者のケワス(右))

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PAPU CHIMANRAM BHOPA (at Haveli Guesthouse in Jodhpur, 08.Mar.28)
01. Kohlu (Pabuji's Telling Story)
02. Biro Banjaro Re
03. Holi Yame Udere Gulal (Holi Song)
04. Goomar Song (the girl married to Jasol, near Barmer)

※赤文字が今回DVD作品化


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