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The-Heart-of-Hindu11

 ルドラクシャ(菩提樹の実)は、サンスクリット語でシヴァ神<ルドラ>の目<アクシャ>を意味しており、古典文献ではシヴァ神の目から流れ落ちた涙とされている。原産はインドやネパール、インドネシア。
 ルドラクシャには血圧を下げる働きがある。身につけているだけでもその効果があるとされるが、さらにルドラクシャを銅製以外のコップの水に一晩浸し、翌朝胃が空の状態の時に飲むとさらに効果があるそうだ。なお紅茶でよく知られるリンデンと呼ばれる菩提樹の葉や花にも血圧を下げる効能があるのだが、このリンデンは西洋菩提樹であり、ブッダが悟りを開いたとされる(そしてマノージギリが作品で説明している)インド菩提樹とは別の種類のものである。

 さてこのルドラクシャだが、一面から一四面に分類される。エークムキー(一面)ルドラクシャは最も出回っているが、中国で大量生産されている樹脂製の偽物も多いようだ。偽物はアートムキー(八面)以上のレアで高価なものにまで及んでおり、もっともポピュラーなパーンチャムキー(五面)でも近年偽物が出回っているらしい。
 真贋を見分ける方法のひとつとして、ルドラクシャを沸騰した湯の中で煮ることが挙げられる。樹脂製の偽物であれば、その高熱によって形が変形したり、接着剤が剥がれて二つに分離する。ただこの方法だけでは万全ではないため、X線撮影をして内部の種の数を数えるという方法がさらに確実だ。面の数と種の数が一緒ならば本物ということになる。
 インドでも実際にかなりの数の偽物が出回っているそうである。現地の人からも「露店で買わずに専門店で買った方が良いよ」と何度も釘を刺されたし、さらに専門店でも必ずしも本物が売られているとは限らない。素人が見た目で真贋を判別するのが難しい物だけに、なかなか買い物が難しそうな一品。

 ルドラクシャはその面数によって、様々な神々が守護している。例えばエークムキー(一面)ならばパラマブラフマー、ドームキー(二面)ならシバ神とパールヴァティー女神、チャールムキー(四面)ならチャトゥラーナナと言った具合だ。さらに本編でマノージギリは表面の文様にも意味を見出していて、オーム、ガネーシャ神、シバリンガムなどと説明してくれたが、クムラ(ヒングラージ女神に関連しているようだ。【2013.2.21追記】シヴァ神とガンガ女神の息子で、クジャクに乗って悪神軍団を退治する軍神スカンダの別名「クマーラ」を示しているのかもしれない)など聞き慣れない名称も出てきて、確実に裏が取れなかったものに関しては字幕に (?) をつけることで対応させて頂いた。

 自然の中に文字を見出す行為に聖なるものを感じる。これを単なる偶然と見るか必然と見るかで、世界のあり方はがらりと変わってしまう。このような見方は仏教では「縁起」と言われる。畢竟すべては「空」であり、観測される対象と、その周辺の無数の縁による相互的関係的な出来事によって物事は成立している。「ある」か「ない」の二元論で語れるものではなく、「ある」ということが起こる事もあるし、起こらないこともある。すべての現象は「縁」なのである。
 さらにマノージギリは「3」と「M」をラッキーアイテムとしているようで、私の手相に大きな「M」が刻まれていたこと、そして私の日本名、彼から授かったインド名、そして彼の名の頭文字が全部「M」になっているからという、もはやこじつけとも思えるような理由から私をファミリーとして迎えてくれたのだが、これも「ある」か「ない」の二元論で語れる現象ではなく、やはり「縁」なのだなぁとつくづく感じた。

 ところで、映像でマノージギリはオームの意味を「お袋、親父、そして神」と素晴らしい解釈をしている。一般的にオームは「宇宙の始まりや終わりを示す音」「a は維持神ビシュヌ、u は破壊神シバ、m は創造神ブラフマーを示し、トリムールティ(三神一体)の真理を表している」などと抽象的に説明されるが、「両親と神様を大切に」というマノージギリのシンプルなことばの方が、ダイレクトにこころに響いてこないだろうか。


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