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Raj_002

 ジャイサルメールに着いて、まず最初に楽器職人、特に打楽器職人に会ってみたいと思った。動物の皮を剥ぎ、木製の筐体に張り付ける技術を持つ打楽器職人ダグバール Dagbar の工房を探してみるものの、残念ながら今回の滞在では見つけることができなかった。
 でもロハール族 Lohar の楽器職人、モーハン・ラル・ロハール Mohan Lal Lohar の工房は訪問することができた。ロハール族は鍛冶屋を生業とするジャーティで、典型的なジプシーの移動形態である荷馬車で周遊生活するガドゥリヤ・ロハール族 Gadulia Lohars とは同族であり、違いは定住か否かにある。

 ジャイサルメールの街の北部には、カラカール・コロニー Kalakar Colony と呼ばれる、マンガニヤールとボーパの楽士が暮らす芸人居住区があり、そのコロニーのさらに西側に位置するロハール族のコロニーの一画にモーハンの自宅兼工房があった。扉を開けて中に入ると小さな庭の先に工房が見える。ストリートでひしめき合ってテントで鋳造をしているロハール族に比べ、モーハンの工房の作業スペースは広く、道具類も整頓されており、彼がロハール族の中でも裕福な暮らしをしていることが伺い知れる。

 あいさつを交わすや否や、早速敷地内の棟に案内される。棟は茶室ほどの広さで、簡易ベッドが一台あるだけのシンプルで清潔な内装だ。息子のハリシャンカールが通訳を担ってくれた。モーハンは鉄を鋳造して作るモールチャンはもとより、木材を材料とするアルゴザ、カルタール、ムルリまでも製作するという。だが他のロハール族の楽器職人たちが皆、木製の楽器までも製作するとは限らないようだ。
 モーハンは取材当時四十二歳。十五歳から楽器製作を始め、実に二十七年のキャリアを持つベテラン職人である。(次回に続く)


(写真:ロハール族の楽器職人、モーハン・ラル・ロハールと彼の工房)


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