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Raj_010

 ジープ周辺に群がるジョーギーの女性とカルベリアの少女たち。まさに砂漠の花園といった華やかな空間だ。そして彼女たちがおしゃべりを始め、辺りは次第にザワザワと賑わってきた。女性のかしましさは万国共通なのだと実感。彼女たちが民族衣装を着ていなければ、高校や大学のキャンパスにいる若い女性たちと何ら変わるところがない。写真を撮ることも忘れて女の子たちをぼんやりと眺めながら、ここに来て本当によかったと思い少し暴走してしまう。

 「女の子選べるの?」とドライバーのアユーブに聞いてみる。
 「誰が好み?」
 「この娘がいいかなぁ」と黒いカルベリアの衣装を着た褐色の肌の女の子を指す。

 私は酒を飲まないのだが、『スナック★タール砂漠』という言葉がなぜか浮かんでしまった。ただ水商売と違うのは女の子が全く擦れていないところだろう。指名されたカルベリアの女の子はすごく恥ずかしそうにして、そこが何とも可愛らしい。彼女はまだしっかりと踊れないようだったので、残念ながら願いは叶わなかった。今思えば写真の一枚くらい撮っておけばよかった。

 セッションに必要な時間とメンバーの数を提示して金額の交渉に入るが、予想を上回る高値を提示されて狼狽する。毎回撮影料金の交渉には骨を折る。撮影は双方にとってチャンスだし、できれば彼らの希望に報いたい気持ちもある反面、当方の希望金額とかけ離れている場合が多いので、やはり交渉をせざるを得ない。結局は双方の中間程度で収まるように調整してもらうのだが、それでも難しそうな場合は、人数や演奏時間を減らして対応してもらう。だがそれもほとんど無意味な場合が多く、結局は当初と同じ人数だったり、彼らの気が済むまで演奏が続いたりすることもあるので、演奏時間も有って無いようなもの。セッションの後にさらにチップを上乗せして彼らに満足してもらう形で終わることが多かった。今回のジョーギーとの交渉でも取りあえず人数と時間を半分に減らして、アユーブを通じて再交渉を依頼してみた。


Raj_010b

 再交渉中に放浪ジョーギーの住居の近くまで歩いてみた。住居に近づくと犬が突然ワンワンと鋭く威嚇してきた。街中の犬に比べると精悍でまさに番犬というオーラを放っている。彼ら放浪者の生活に番犬はとってかかせない家族の一員なのである。以前モロッコのアトラス山中のノマドのテントで一晩過ごした時、真っ暗な闇の中で得体の知れぬ動物の鳴き声が四方八方から聞こえてきて、言い様の知れぬ恐怖を覚えたが、その時も番犬がいたおかげで安心して眠ることが出来た。砂漠だって夜は暗闇だ。何が襲ってくるかは分からない。
 写真を数枚撮っていると、すぐさま男がやってきてバクシーシを要求。今回のセッションの後でまとめて払うと告げるや否や、すぐその場を立ち去った。この集落にも興味はあるのだが長居できない。夕方になると風が強くなり録音に悪影響を及ぼすので、なるべく早めにライブ撮影を開始したいのだ。

 数分後にジープに戻るとアユーブがすでに話をまとめていてくれた。納得できる金額にまでがくんと下がっていた。彼とジョーギーの間には強い信頼関係があるようで、今回は特別に取り計らってくれたという。ありがたい。すぐに撮影ポイントまでジープを走らせる。後からジョーギーの乗ったジープも追従する(このジョーギー用のジープはどこからやって来たのだろう?)。メインストリートの舗装道路に出るや否や、再度道なき道を少し走り、緩やかな曲線を描いた砂のグラデーションが魅惑的な、典型的な美しい砂漠のステージに到着した。(次回に続く)

 
(写真上:黒い民族衣装が印象的なカルベリアの女の子。集落ではカラフルで陽気な女性たちがたくさん集っていた)
(写真下:放浪ジョーギーの住居。日陰やブッシュの中に住居を構えないのは、蛇やサソリがいない場所を選んでいるため)


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